デフレと値下げは違うという話

やっぱり経済ネタですかねぇ。

昨日、TL上で「TPPは値下げ競争を促進させるから今の局面で参加するものじゃない」という意見があったので、「値下げとデフレは違うんだけどなぁ」と思った次第。

 

じゃあ、何が違うのかと言うと、「現金に対するインセンティブ」が違うという事です。

値下げをすると、一定の金額で購入できる量が増えます。もしくは、他のものが買えるようになります。月収が20万円で、家賃が10万から8万に下がる事が値下げです。

 

では、その浮いた2万円で何をしましょうか?というのがデフレとインフレの違い。

デフレだと、物価が下がると予想しているので2万円をほとんど将来の生活費としての貯金に回そうと思います。

インフレですと、物価が上がると予想されるので欲しいものを早めに買わないと損をするだけですので別のものを買う、もしくは短期的に貯金orローンを組んで高額なものを買うという風に行動がわかれます。

 

値下げをすればそれだけ売れる。もしくはその逆というのは市場原理ですから仕方ないのですが、値下げをした分だけ別のものが売れるはずだったのに貯金に回って売れていないというのがデフレなんですね。 だから、どの業界も一斉に不振に陥ってます。好景気であれば特定業界は不振でも他の業界が好調という事になるんですけどね。

 

TPPは値下げ競争も生みますが、そもそも市場というパイを大きくするという目的があります。

 

明確にすべきは、「どの業界が利益を得て、どの業界が不利益を得るか。また、その規模はどれぐらいであるか」であって、最終決定はその損得で判断を下すべきだけれども、自由貿易を目指す体制としてのTPPは当初から反対すべきものではないと思うんですけどねぇ。